
by paris sur Mode 2010.3/5〜8

(フェイム・チュイルリー・バイ・パリ・シュール・モード)
年2回3月と10月のパリ・コレクションの時期にあわせて開催されるクリエーターの合同展示会(=サロン)の一つ。
この時期には、大小あわせると20近いクリエーター・サロンがパリのあちこちで開かれるが、フェイム・チュイルリーは、アトモスフェール、プルミエールクラスなどと並んで、チュイルリー公園に張られたテントの中で行われる重要なサロンの一つである。ファッションショー会場のルーブルにも近く、集客力もある。
このサロンは、1990年に創設され、数年前からクリエーター色を強めている。特に、昨年の10月展からは、運営がフーズ・ネクストに移り、会場のつくりも明るくポップになり、楽しく若々しいサロンという印象に様変わりした。現在では、 “ショールームのような雰囲気を持った展示会”(=「小規模のショールームのように、統一感があり、アットホームな雰囲気を持つ展示会」という意味)を目指している。
今回は、85ブランドが集められ、日本からの出展は、「新風久留米絣」のみであった。
9月1月に開かれるフーズ・ネクストやプレタポルテ・パリ展は、プレタポルテを購入する広い層がターゲットだが、10月3月のパリ・コレクション時期のサロンは、世界中のトップの店のバイヤーが集まり、ラグジャリーなコレクションを販売する、世界で最もハイエンドなステージである。つまり世界で一番高額な商品が売れる場である。
オーガナイザーの発表資料によると、来場者7,000人(フランス45%、海外55%) うちジャーナリスト 200人。






今シーズンのパリのサロンは、全般的にはあまり活気がないと嘆く出展者が多かったが、「新風久留米絣」のスタンドでの反応は、初日から良いものであった。なかでも、最終日に、ローマのブティックから、ジャケットにたいする前向きな話ができたことは画期的なことであった。パリ・コレクション時期の展示会は、要求されるクリエーションのレベルが大変高く、東京コレクションでショーをしているクリエーター達でさえ、最初の数シーズンは全くオーダーがつかないということもある。その真剣勝負の場所で、バイヤーが「新風」の作品にその場で興味をもち話をしてくれたことは、大変嬉しいことであった。しかも、そのバイヤーは、日本贔屓でもなく、「久留米絣」に対する知識も全くなく、『このかすれた感じが、これまで見たことないもので、気に入った』と言っていった。つまり、素材としての価値が、認められたのである。
今回は、まわりのブースからの訪問者も多く、「この素材は何?」という質問から始まり、ジャケットや、ストールの試着をしていく人が何人もいた。何度も、何着も試着し、「これをベルトでしめるのも良いかも」などと、様々なコーディネートを楽しんでいた。同じ展示会に出展する目利きの業界人に認められたというのは、参加メンバーにとっては、自信がつくことであっただろう。クリエーター達は、織元がパリコレ時期のサロンに出せるような最終商品まで作って、テントにスタンドを構えるというのがどんなに大変な事かよく分かっているので、レスペクトを持って迎え入れ、「この人たちは、私のクリエーションを理解してくれる」という信頼感を持って、生地を使おうと前向きに考えてくれるのである。
ジャパンブランド事業最終年ということで、「パリ・コレクション時期のサロン」と目標を一番高いところに設定し、走ってきたが、生地を見てくれたクリエーター達の反応を見て、その高い目標が間違っていなかった事を確信できた。


